Coffee and Music, The Perfect Match
ロック、ジャズ… コーヒーと音楽の絶妙な相性
起きぬけの一杯、仕事の合間にほっとひと息、オンからオフ、オフからオンへと切り替えたい時……など、一日のさまざまなタイミングでやってくるコーヒーの時間。その時、あなたはどんな音楽を聴いているのだろうか。
音楽を聴いて心がゆったりと落ちついたり、ストレスが解消されて元気が出てきたり、という経験は、きっと誰にでもあるはず。それは、耳から脳へと伝わった音楽が自律神経に作用したり、心にもさまざまな影響を及ぼしたりすることによって起こる効果とされている。そして、同じような効果が一部のコーヒーの香りにもあることがわかってきた。
香りが人の脳に及ぼす影響についての研究で、コーヒーの香りの中に2種類の効果があることが報告されている。それは“リラックス効果”と“脳の働きを活性化して集中力を高める効果”。
この2つはすべてのコーヒー豆にあるわけではなく、豆によっても効果の度合いに違いがあるようで、たとえばグアテマラやブルーマウンテンの香りにはリラックス効果が顕著、そして、ハワイコナ、ブラジル、マンデリンなどの香りには脳を活性化する効果が顕著とされている。音楽と同じように、コーヒーの香りにも人の脳に影響を与えるものがあるというわけだ。
ということで、コーヒーを飲むタイミングと音楽の楽しい関係について、ちょっと考えてみよう。
気分転換したい時や、仕事のブレイクタイムに頭をクリアにさせたいときなどは、ロックがおすすめだ。アグレッシブなエレキギターサウンドや熱くシャウトするヴォーカルに気分も揚がり、スカッとリフレッシュ。先述の研究では、脳を活性化させてくれるコーヒーの香りには人の集中度を図る指標となるp300という脳波が早く出現し、情報処理のスピードを高める効果があるとされている。それらの豆をチョイスすれば、ロックとコーヒーの相乗効果で頭の中もさらにキリリと元気に。
ただし、ノリノリになりすぎてコーヒーカップを振り回したりすることのないよう、くれぐれもご注意を。
そして、一日の心とからだの疲れを解きほぐしてくれる夜のコーヒーには、ジャズやクラシックを。オフビートに代表されるジャズ独特のリズムにはアルファ波を誘発する作用があるといわれている。ビル・エヴァンスの美しくロマンティンクなピアノ、ジョン・コルトレーンの洗練された力強いテナーサックスなど、しっとりと落ち着いたジャズのBGMが心をゆるゆると溶かしてくれる。
また、クラシック音楽には「1/fゆらぎ」が含まれていることも知られている。「1/fゆらぎ」は、打ち寄せる波の音、小鳥のさえずり、ろうそくの炎など、自然現象の中にある「ゆらぎ」で、α波を誘発するとされることから、まさにリラックス効果があるということ。中でもモーツアルトの楽曲は、この「1/fゆらぎ」で進行するものが多いとされ、癒し系クラシックとしても有名だ。
美味しいコーヒーを味わうひととき。そこに音楽があると、その時間がさらに心地よく、豊かなものになるはず。もちろん好みは人それぞれだが、コーヒーの香りの効果と合わせて、それぞれのシーンで相性のいい音楽を楽しんでみてはいかがだろう。